お役所仕事とボトルネック
いわゆるお役所仕事というのは、四角四面で柔軟さのないことを指すようです。
役所には申請書を提出したりするのですが、それがすべて窓口毎にわかれています。
間違った窓口に行くと、正しいと思われる窓口に案内されます。
まぁ、それで正解なら問題ないのですが。
間違った窓口に案内されることもあります。
イレギュラーな内容を申請したい場合、窓口が決まってなかったり、案内出来なかったりします。
この時に問題が起きます。
つまり、たらい回しにあうってことです。
これについて、一般的には悪いこととして捉えられていると思うんですが。
役所の職員の立場になってみれば、実は全く正しいことをしているわけです。
すごく頭がいい行動を取っているわけです。
役所にはたくさんの人が来ます。
たくさんの人が申請書を提出しにきます。
その人達を出来るかぎり待たせることなく、かつ、自分が疲れないように働くこと。
それが役所の職員の最適解です。
ホスピタリティを高めたところで、管理職の人は評価してくれません。(そういった評価軸がない限り)
それどころか、イレギュラーな仕事を引き受けて、窓口を止めてしまえば大ブーイングなのです。
イレギュラーな仕事を引き受けるということ自体がボトルネックになるのです。
だから、引き受けない。
他の誰かが請け負ってくれることを期待する。
それが最適解だから、自分は引き受けません。
でも、考えてみてください。
お客さんにとって、たらい回しは苦痛以外の何物でもないのです。
ふざけんな!ってな気持ちになります。
つまり、「特定の窓口業務」は最適化されたけれど、「市役所と市民の関係」は最適化されていない。ということが起こります。
これを言い換えると、「部分最適(個別最適)」はされたけど、「全体最適」はされていない、と言えます。
部分的にみれば(特定の窓口業務にとっては)、「イレギュラーな仕事」はボトルネックにしかなりません。
しかし、全体的にみれば(市役所と市民の関係を考えてみれば)、「たらい回し」のほうがボトルネックです。
だから、本当は、全体的な最適解を取るべきなのです。
では、どうしたらいいか?
全体最適化が行われるようなルールを作ればいいのです。
役所の例で言ったら、「ホスピタリティを高くしなさい」というルールを作ればいいのです。
そういう評価軸を作ればいいのです。
さてさて。
では、ホスピタリティを高め続けるとどうなるか?
円満解決か?
実はそうではありません。
別の箇所がボトルネックになります。
そうです。
モンスターと呼ばれるような、クレーマーが集まってくるのです。
では、どうするか?
今度はモンスターがボトルネックになると認識して、それを排除するようなルールを作ればいいのです。
え?
ルールでがんじがらめになりそう?
そうですね。その通りだと思います。
ルールを作るというのはとても難しいです。
しかし、ボトルネックを一つ一つ潰していくようにを作れば、一先ずは良い結果が出ます。
(一先ずは、ですけどね。)
ちなみに、今、日本で問題視されていることのほとんどは、部分最適化が原因なんじゃないかなって思ってます。
利権の問題、なんていうのは最たるものではないでしょうか。
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