カセツ タタキダイヲ テイジス-仮説、叩き台を提示す-

現時点での暫定的な解答、仮説、叩き台をここに提示す

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GCAC

   

GCACというバンドがいます。
まぁ、そんなに有名じゃないです。
(多くのライヴハウスで活躍しているバンドがそうであるように)一般の方で知っている方はいないでしょう。

彼らとの出会いは、主催したライヴイベントのあたりだったと思います。
_ _ _ _*(テイヘン)というバンドに、企画のトリとして出てもらったのですが。
ギターさんが身体を壊して抜けてしまっており、サポートとして入っていたのがGCACのリーダーでした。

そのあたりからの付き合いで。
ライヴをよく見てたかというと、そうでもなくて。
その時は正直、まぁ、普通のバンドだなと思ってました。

近いわけでも遠いわけでもない関係性の中。
私も何回かイベントを企画した後に、GCACから「僕達もイベント出してくださいよ」みたいなことを言われました。

私は、ちょっとイタイところがありまして。
軽く流したりしないんですよね。まじめに受け取る。
だから、まじめに返しました。
「オレが本気でカッコイイと思ったバンドしか呼ぶつもりがないから、まだ無理」と。

まぁ、酷い話だなとも思うんですが。
お遊びで企画をやるほど時間もお金もないので。
イベントをやるからには、1日を通して「作品」にしたいんです。
ライヴイベントでは端役は出れないので。
主役しか呼べないので。
呼べません、と。
だから、現時点では無理ですと判断を伝えました。

一方で、彼らも適当にバンド人生を終えるつもりはないのだろうと思い。
「オレは思ったことは伝えるから、ガンガンに成長して、オレが頭を下げてでも呼びたくなるバンドになってね。で、こういう言い方をしたからにはトリで呼ぶ以外は考えてないから」と伝えました。

何様かとも思いますが。
そうとしか言いようがありませんでした。

それから、たまにライヴを観に行っては気づいたことを伝えました。
最初のうちは「こうしたほうがいい」「ああしたほうがいい」みたいなことも言ってましたが。いや、これは違うなと。ちょっと余計な情報まで含まれるなと感じて、単純に思ったことを伝えるだけにしました。

オレというセンサーが感じたこと。
オレというセンサーの特性上含まれるノイズのこと。
オレが解釈したこと。
そんなことを伝えて。
あとは、ライヴ全体の感想。
今日は良かったとか。ダメだったとか。
2日連続見たけど、昨日よりよかったとか。
誰々と誰々はめちゃくちゃよかったけど、誰々は普通とか。

言い回しはあんまり良くないですけど。
いい時も悪い時もそのまま伝えないと、意味がないと思って伝えました。
変に気を使って、間違った情報が伝わって、間違った解釈をされるよりは、ストレートに伝えたほうが、判断もしやすいですしね。

そんな日々が続いて。
二年だか三年だかが経ったのでしょうか。
先日、ツアーファイナルのライヴに行ってきました。

技術やステージングだけでなく、人間的にも圧倒的に成長していて驚きました。

昔はあんなに広く、持て余しているように見えていたステージが。
今回はあまりにも狭く見えました。

僕は必死で考えました。
彼らをトリにしたイベントってどんなだろう。
考えれば考えるほど、広いステージで数千人、数万人規模しか浮かびませんでした。
あるいは、彼らがもう少し固定的なイメージをもってくれれば、そこを軸にしてイベントを作りやすいんだけどなぁと思いました。
ただ、大きく羽ばたこうとしている人たちに。固定的なイメージをもってくれというのは、成長の妨げにしかならないので言うのは止めました。
結局、自分が作れる範囲のイベントに出てもらうよりも、もっと大きなステージを目指してもらうほうがいいだろうという判断になりました。

だって。
道を知らない人、道を作れない人が道案内をするのって、罪だと思うんです。
私は、彼らと一緒になって道に迷うことはできないですし、一緒に責任を背負えないだろうと思ったんです。(自分のキャパもそこまで広くないですから)
なのに、偉そうにしててもしょうがない。
だから、そのことを正直に伝えました。

普段、バンドさんからもあまりサインとかもらわないんですけども。
GCACからサインをもらいました。(本人たちも驚いてましたけど)
彼らの成長があまりにもすごくて。
もはや、ライヴハウスによくいる普通のバンドじゃなくなってたんですよね。
大きく羽ばたくバンドに変わっていってました。
だから、彼らの純粋なファンになろうと思ったんです。

特に、ドラムのまさくんの成長っぷりはすごかった。
私の考えるドラムの役割って実はものすごく多くて。
ギターとベースとボーカルの個性を残しつつ、うまくまとめ上げるファンデーション的な意味合いとか。
お客さんにノリ方を伝える先導役とか。
フィルインでメンバーに火をつけるカタパルト的な役割とか。
それでいて、自分の個性も光らせたりしなくちゃいけなくて。
そういうの全部出来ている人ってほとんどいないんですよね。
なんというか、ある程度多重人格じゃないと出来ないんじゃないかって思うんです。
自分の世界を持っていて、熱くて、でも冷静に周りのことをきちんと見てるっていう相当に難しい役割なんですけども。
この間のステージではそれをやってのけたんですよ。

正直、驚きました。
できちゃってるじゃん!って。
だから、本人に伝えました。
好きなドラマーの名前を言う時にはあなたの名前を挙げます、って。

あ、でも、これも。ただの過程だと思うんです。
オレの好きなドラマー像でいるだけじゃなくて。
そんな枠さえも飛び越えて、自分の思うドラマー像を目指してくれるんだろうなぁって。
(仮にそれでオレの好みとは違くなったとしても、何の問題もない)

というわけで。
ここにバンドのことを長々と書くこと自体もかなり異例なんですが。
「イベントに出てもらった」という実績を残せないという判断になってしまったので。
ここにその想いを残しておこうと考え、書きました。
GCACは大きく羽ばたいて行くと思います。
日本で収まるかどうかも分かりません。
今の姿だって、まだまだ発展途上ですから。
1年後2年後にはどうなってるでしょうか。
全然想像出来ないくらいになってそうで、楽しみです。

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