カセツ タタキダイヲ テイジス-仮説、叩き台を提示す-

現時点での暫定的な解答、仮説、叩き台をここに提示す

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SMAP崩壊に見る理想的な組織のカタチ~アドラー心理学の未来~

   

2016年をもって、SMAPは解散します。
先日のSMAP×SMAP最終回を見て、私は「SMAPは理想的な組織だった」と感じました。
しかし、その組織体系が変わると共にSMAPは崩壊したと考えています。

このことについて、組織体系の話、アドラー心理学の未来の話を織り交ぜながら、私なりの仮説を説明していきたいと思います。

理想的な組織というと、ちょっと堅苦しいかもしれません。
彼らは、慣れ合わない仲間だったんだと思います。


 

人の集まりを指す言葉は多くあります。
「仲間」「グループ」「組織」「集団」「群衆」etc.

会社では、社長や取締役を頂点とした組織があります。
グループでも中心人物がいて、その周りに取り巻きがいて、という状態があると思います。
こういった組織の特徴は「集団力学(グループダイナミックス)」で、説明されています。
集団力学についてザックリと説明すると、こんな特徴があります。

  • 影響力のある中心人物がいる
  • 中心に近いほど、その影響が強い(離れるほど弱い)
  • 集団が小さければ小さいほど結束が強い

SMAPの中心人物と言えば、リーダーの中居さんでしょう。
あるいは、木村さんかもしれません。
しかし、メンバーは彼らに従うというよりは、好き勝手に行動しているようにも見えます。
(意図的にそういう組織にした中居さんの功績も大きいのだと思います。)
このことを踏まえると、SMAPは ”集団” とは言いにくい組織であると思います。


 

次いで。
たまたまそこに居合わせた人を指す「群集」という言葉があります。
まぁ、間違いなくSMAPは、これではないような気がしますが。
ジャニーさんによって、たまたま居合わせた人たちに「YOUたち今日からSMAPね」と言われた可能性も大いにあるので。
念のため群集の特徴「群集心理(集団心理)」について説明します。

  • 馬鹿で単純で狂暴

もう絶対に違いますね。
群集心理は確か、フランス革命だったと思うのですが、目の前で人が惨殺されているのに、貴婦人が優雅に紅茶を飲んでる姿を見て「これは何なんだ!」と思って研究が始まったような話を聞きました。
みなさんも、そうならないように気を付けてくださいね。
特に、ツイッターは「熱量を切り取って保存する仕組み」とも言えます。
そのため「群衆私刑(私の造語)」も起こりやすいですから。


 

はてさて。
SMAPは、”集団” とも ”群集” とも違うようだぞ、ということが分かりました。
では、SMAPは、どんな組織だったのでしょうか。

それを紐解くヒントがアドラー心理学にありました。
アドラー心理学は、まぁ、いろいろなことを言っているのですが。
大切なことは大きく3つです。

  • 自己受容(自分のいいところも悪いところも受け入れる)
  • 他者貢献(他人に貢献できているという気持ちが幸せにつながる)
  • 共同体意識(一人ではなく共同体の一員なんだなぁと感じる)

そして、アドラー心理学でいろいろ言っているうちのほかのことは、これらを阻害する要因を避けましょうということなのです。
例えば「過干渉になるな」「人を信じろ」「自分の人生を生きろ」といったことです。


 

さて。
では、アドラー心理学を実践したら、どのようなグループになるでしょうか?
つまり、どのような共同体になるのでしょうか?

これを考える際に、私はたぶん、3~5つくらいのルールで説明できるグループになるだろうと想像しました。
というのも、鳥の編隊飛行や、魚群の動きをシミュレーションする際のルールがたった3つだからです。

  1. 群れから離れすぎない
  2. 群れに近づきすぎない
  3. 群れの中心に向かって進む

そして、これをもとにアドラー心理学を実践するとどうなるか?を考えてみたんですが。
ふと、同じなのではないかと気づきました。

  1. 群れから離れすぎない
    ⇒物理的距離というよりは、心理的距離の話になると思います。
    その中で、自分の人生を生きていればいいのです。
  2. 群れに近づきすぎない
    ⇒過干渉になるなという意味になります。
  3. 群れの中心に向かって進む
    ⇒誰かが困ったときや、群れの存続の危機、群れの存在意義の実現などがある場合は、その解決や実現に向かって進めということです。

つまり、アドラー心理学は、この”群れ”の実現を理想としているということが分かりました。


 

そして、私は気づきました。
この”群れ”こそが、SMAPを説明するのにふさわしいと。
この”群れ”が、SMAPの仲間意識そのものだったということを。


 

では、なぜSMAPは解散することになってしまったのでしょうか。
たぶんSMAPは、この”群れ”から、”集団”に変更させられたのだと思います。
謝罪会見での違和感は、ここに集約されているように思います。

そのため、SMAPという理想的な組織は崩壊してしまったのだと感じています。

SMAP×SMAP最終回を見て、メンバーの誰もが納得していないように感じました。
「なぜ自分たちは解散することになったんだろう」
「どこで間違ったのだろう」
そう感じているように見えてなりませんでした。

もちろん、様々な要因があったと思います。
どこぞの週刊誌に偉いさんがたきつけられたなんて話もあります。
独立しようとして失敗したという話もあります。
それらに原因を見つけることも可能だと思います。

しかし、その答えは、アドラー心理学の中に書いてあるような気がするのです。
アドラー心理学では「原因論」ではなく、「目的論」を使います。

原因論では「お腹が痛いから、学校に行かない」というように、原因によって行動が決まります。
目的論では「学校に行かないために、お腹が痛くなる」というように、行動のために原因を作ります。

個人的には、どっちも正しいように感じます。
しかし問題解決をするには、過去にある原因をどうこうするよりも、今どうするかを考えるほうが賢明です。

SMAPは、解散するために原因を探してしまったのではないかと思います。
解散を回避するためには、「今どうすればよかったのか」を考えたほうが良かったのです。


 

私は、アドラー心理学を友人におすすめすることがあります。
しかし、注意事項として「結構厳しいこと言っているよ」と必ず伝えます。
あるいは、「めちゃくちゃ厳しい言い方だと思うんだけど、アドラー心理学ではこう言ってるよ」とワンクッションつけて伝えます。
興味を持たれた方は、調べてみると面白いかと思います。

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